保険業界の現状や今後はどうなのか?
保険業界は、生命保険と損害保険の2つの分野に分けられます。
どちらも、日常生活で起こり得るリスクに対応できる内容です。
保険業界の実態はどうなのでしょうか?
現状を知るために、以下の内容についてご説明します。
①市場の上場は分野によって異なる
②生命保険は長生きリスクに対応へ
③損害保険は災害リスクや新しいリスクへの対応へ
具体的な業界事情を、早速確認しましょう。
①市場の状況は分野によって異なる
保険業界の現状を探る場合、生命保険と損害保険の2つの視点から考えければなりません。
まず、生命保険の業界では、伸び率が飽和状態になっています。
その背景には、若者世代の生命保険の加入率が伸び悩んでいることが挙げられます。
人口減少が進んでいることから、若い世代の加入率はどうしても低くなるでしょう。
その一方で、高齢世代は増加していますから、保険会社にとっては保険金の支払いが増えている現状があります。
そのため、総合的に見ると、業界的に上向きであるとは断言できません。
次に、損害保険の実態を確認します。
損害保険の市場に関しては、好調の傾向が見られます。
既存商品には、火災保険や自動車保険といった内容が挙げられるでしょう。
一般的に利用する損害保険商品として、上記はメジャーな商品です。
しかし、これらの商品の加入率は、少子化や住宅・自動車の購入が減少傾向にあることから高い数値ではありません。
その一方で、提供する保険商品の種類が豊富なことと、新しい商品ニーズに対応できたことにより、業界全体を見ると悪くないのです。
②生命保険は長生きリスクに対応へ
市場状況を踏まえた上で、生命保険分野は現在、「第三分野」の保険商品に力を入れています。
それは、長生きリスクに対応できる商品を示します。
医療保険やがん保険の内容をさらに充実させる方向で進め、新しいニーズの開拓をしているのです。
柔軟に対応できるのは、保険業界特有のスキルの1つでしょう。
また、近年は国内市場だけでなく、海外市場にも注目し事業展開を始めています。
この影響から、国内だけでなく海外でも活躍できる人材の確保に動いている企業が増えているのです。
③損害保険は災害リスクや新しいリスクへの対応へ
損害保険市場の場合は、既存商品の加入率に減少が見られるものの、新しい保険サービスで業績を確保しています。
代表例は、地震保険やサイバー保険になるでしょう。
これらの保険商品は、近年頻発している事故や被害への対応に特化しています。
損害保険分野で特徴的なのは、法人向けの保険でも利益を得ている部分にあります。
生命保険は、主に個人向けの商品になります。
しかし、損害保険は個人だけでなく、法人向けの商品も提供していますから、顧客層が幅広いと言えるでしょう。
このような動向は、損害保険の商品の性質に関係しています。
例えば、自動車が普及したり、自動車保険の重要性が認識されたりした時代には、自動車保険の加入率が上がったことを思い出してみて下さい。
社会情勢により、想定されうるリスクは違います。
それらは、対象者が常に限定されません。
つまり、業界としてチャンスになるのです。
保険業界の将来性は?~AI普及の影響はどうなの?~
ところで、近年の保険商品の申し込み方法は、インターネットが主流になっています。
さらに、AIの導入により、消費者のニーズに合った内容、料金でサービスを提供できるようになっている傾向が多いでしょう。
そうなると、保険業界で働くにあたり、将来性はないと思ってしまいませんか?
実は、そうでもありません。
AIが普及しても、すぐに将来性がなくなる業界でないのです。
なぜなら、保険商品の開発や営業分野は、人の力があってこそ成立する業務になります。
AIでも商品の紹介はできますが、個別の事情に沿った形ではありません。
さらに、AIを利用したシステムを導入していても、損害保険の場合は保険代理店での契約が多数を占めています。
「人に相談して決める」傾向は、まだまだ根強いのです。
また、生命保険分野であっても、介護等に対応したサービスを提供する場合、関連施設や専門スタッフとの連携が欠かせません。
新しいサービスの中には、ケアスタッフの派遣サービスが登場しています。
必要な時に連携を取りながら業務を進めることは、人間だからこそできることです。
従って、業務内容によっては人員が少なくなる可能性があるものの、全ての業務に該当することはありません。
一方で、保険業界はどうしても社会情勢の影響を受けやすいです。
近年も、世界的な金融危機が発生した時点では、市場全体の動きも低下しました。
さらに、医療業界や福祉業界の動きにも影響を受けますので、業界研究をする場合はニュース等の目を離さないようにして下さい。
変動する社会で発生する新しいニーズへの対応が、保険業界の大きなポイントになるでしょう。
まとめ
保険業界は、収益的な動きが停滞していても、今後新しい商品開発等の動きが盛んになることが予想されます。
基本的にリスクがある限り、保険業界のニーズは途絶えることがありません。
また、海外では保険の普及率が低いことに注目し、海外市場で利益を獲得しようと模索している企業も増えています。
みなさんが国内市場、海外市場、どちらに目を向けて働きたいのかによって、アプローチの仕方を変えるようにしましょう。